これからの社会を生き抜く子どもたちに欠かせないこの”対話力”。しかし最近では、SNSの普及は出会ったり、知らないことは調べなくても情報が流れてくる時代。子どもたちが対話力を鍛えられる場所は以下のような形で、どんどん少なくなっています。
- 超便利化社会
SNSが普及し、実際に会話を通した人とコミュニケーションをする機会が減ってしまっています。むしろ、コミュニケーションの頻度は多くなったのでは?と言う声もあるかもしれませんが、短い単語でのやりとりや、自動予測など、便利なコミュニケーションツールが発達した昨今は、あまり考えることなく会話ができてしまうのです。
- 核家族化
子どもたちにとって、日頃から関わる大人の人数は少なくなってきています。また、女性の社会進出も伴い、共働きの保護者が増える中で、なかなか家庭でたくさん会話をする時間をとることは難しくなっています。実際に内閣府の**教育や児童の発達に関する影響のレポートにも、「**子どものいる世帯やきょうだい、子ども自体の減少は、子ども同士が、切磋琢磨し社会性を育みながら成長していくという機会を減少させ、自立した、たくましい若者へと育っていくことをより困難にする可能性がある。現に、核家族化の進展や地域社会の崩壊が、人間関係やコミュニケーションの不足による児童や家庭の多くの問題を発生させてきたとの指摘がある。」と記載されています。
- コロナ禍
コロナ禍でマスクが義務づけられたり、公園で遊ぶなどの外出が制限されたりするなど、子どもたちの成長に与えるパンデミックの影響は無視することはできません。京都大学大学院で人間の脳と心の発達について研究している明和政子教授は「子どもたちが喜怒哀楽といった感情を学ぶ機会が急激に減っているのは確かだ」と危機感をあらわにしてます。また、ブラウン大学のショーン・ディオーニ博士は、パンデミック以降に生まれた子どもが大半を占める2021年の調査では、幼児の言語機能は、基準値である100を大きく下回る「60」を記録したと発表しています。幼児期の言語機能の低下が、長期的な発達に影響を与えるかどうかはまだわかっていませんが、子どもの発達になにかしらの問題が起きていることは事実と言われています。
しかしこのような問題に対し、何もできない訳ではありません。子どもの成長を促すには何が必要なのかと言う問いに対して、ディオーニ博士は「脳は長期にわたって成長しますし、子どもの回復力は驚異的です。あるべきレベルに戻すために、もう1冊短い本を読んだり、もう1ページ読んだり、少しの工夫が大切です。愛情を確かめ合うこと、大切にされていると感じることが、強い絆と健全な脳を作る力となるのです」と答えています。明和政子教授は「豊かな表情を介して触れ合う機会を、コロナ禍以前よりも少しだけ意識して子どもたちに提供してあげてほしいと思います」とコメントを残されています。
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読み取る力に関わる近年の課題

読解力の低下
2018年12月3日に公表された国際学習到達度調査(PISA)で、日本の読解力は15位と、前回調査時の8位から大幅に順位を落とした。活字離れが進み、読書習慣の低下が影響していることも関係していると言えるでしょう。
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/01_point.pdf